米国のドル安政策
日本は、国内的には借金経営(赤字国債)だが、対外的には大債権国であり米国にも膨大な貸し(TB保有)が有り、その他多くの国々にも貸金があることは御承知のとおり。
こと米国債券に限れば、今では台湾やアラブ諸国の方が多額になってはいるものの、償還を求められれば米国財政は危機に瀕するほどの額であるらしい。
このため、しばしば米国はドル安誘導とも受け取れる様々な政策を推し進めた歴史がある。
今回の金融危機に際しては、そのシステム改善の動向に注目が集まっているが、為替の下落については殆ど言及されず、日本円の独歩高による輸出関連企業の業績悪化に動揺していることのみが報道されて株価の下落と不景気の要因になっているようだ。
但し、東南アジア諸国やその他の国々にとって円高は決して望ましいものではない。
何故なら、借金がドル建てだけではなく半分以上が円建て(円借款)なのだから、日本からの代金が収納される国でさえその返済には苦慮することとなるからだ。
小生が、$/¥相場が115円近辺が望ましい水準と度々言及しているのはこんな理由もあるからです。
まあ、円借款の比率向上の背景には、基軸通貨の一つになりたいと秘かに願うだけではなく、資産(債権)が為替差損で減少するのを防ぐ目的(分散投資)があるからだが、これも過去の痛い経験がこうした方策を生みだしたのだ。
だが米国は過去、これにより輸出競争力の強化と共に大きな利益を享受したのだから手をつけたい政策ではある。
しかも、これを過去実行して来たのは民主党政権の時が殆どなのだ。
GMの危機を、またその他の輸出産業を救済する方法の一つとして、また、穀物輸出のシェア維持のためにも有効な政策なのだから。
只、以前にも述べたが、今は世界的に政策金利を強調利下げを実行しているから変化が見えないのだが、どの国かが、日本のように特に低くしてきたら大きな変化が発生する。
米国は、新たなTBを外国に買ってもらえなくなったらたちまち財政がひっ迫するしユーロも似たようなものだから簡単には為替安値誘導政策は出来ない。
つまり、この自国通貨下落誘導政策は「ダモクレスの剣」を振り廻すようなものなのだから。
かと言って、前例はしっかりと有るのだから、今後は、米国の金融政策だけではなく為替や輸出入政策にも注意を払った方が好い。
テーマ : 資産運用 - ジャンル : 株式・投資・マネー
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