基軸通貨の現在の意味は、貿易と資本の決済に便利かつ必要で流通量があり価値が安定している国の通貨と言えるのではないだろうか。
USドルがこの地位を獲得したのは国際連合が設立され「金の保有量が7000トン」を超えた時からだと小生は思うからそんなに長い期間ではない。
「金」と通貨との価値的連動の変化は、昭和初期の「金本位制」の崩壊に始まったが、「金」の保有量がその国の通貨価値を決めていた時期は続いていたのである。

しかし、当の米国がいわゆる第三世界への投資を活発化して国内産業の空洞化を招いた頃からドルの垂れ流し批判が出始め、各国が自由変動性を採用、ニクソンショック後は各国共に「USドル」一辺倒の資本政策を変更した。
これがECを生みユーロを誕生させたが、いずれも自由貿易主義による経済競争(自由化)が端緒となっている。
「ユーロ」が企画された頃から、各国は自国通貨と「USドル」、そしてそれ以外の国の通貨との価値バランスを考慮し始め、経済規模の大きい国ではその価値の安定と維持を図る政策を静かに進めてきた。

かつて基軸通貨の役割を担ったことがあるのは、「スペイン金貨」「英ポンド」であり、いずれも当時の強国の通貨であり、ある意味「スイスフラン」も同様だった。
現在とは強国の意味も多少異なるが、経済力と軍事力の強さが基になっているところは共通である。

改めてその力関係を考えると、3〜5圏くらいに分散したように見える。
各国は、外貨を「USドル」だけではなくその他の国の通貨(国債)を分散保有の割合を増やし、大金持ちや大企業は、ずっと以前から「英ポンド」「ユーロ」「スイスフラン」にも分散していた。
また、「日本円」は投資にも利用されている。
最近では「中国元」が注目され始めたが交換性に欠ける(買うは易く売りは難い)ため実現していない。
しかし、広い意味での中華圏である東南アジア諸国では、欧米やアラブ諸国に比べると「日本円」と「ユーロ」そして「中国元」の保有率は年々向上し、今や「USドル」一辺倒の国など存在していないのが実情で、基軸通貨としての「USドル」の役割も大きく低下しているのだ。

昨日の「金」の急騰は、材料的には二番煎じもいいところ。
本来の意味から考えると反比例的に「ユーロ」が急騰するのだが「USドル」が売られただけである。
どうやら投機筋の動きに材料が後付されたようだから、「USドル」への不信任から「金」への投機に回る資金は新たに増えないのではないのかと思うが、何処のどんな時にも提灯は点くから、これが最後とは言い切れない。

いずれにしろ、今時、外貨準備高の全てが「USドル」と言える国もお金持ちもいないし、先月末の「日本の外貨準備高過去最高=ドル換算」の記事は、図らずもこれを証明している。

外国に行くと自国通貨が虐待とも思えるほど酷いレートで取引されたり、買い物一つも出来ない国民が未だ圧倒的に多いこと、それとは異なり日本人は、ほぼ何処へ行っても「日本円」での決済や買い物が出来るのだから、もう少し自国に誇りと自信を持っても良いのでは...。

テーマ : 資産運用 - ジャンル : 株式・投資・マネー

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